国会図書館経由で本が売れる

 「国会図書館で『灰羽連盟を見る』を読みました。手元に置いておきたいので一冊売ってください」というメールが来ました。
 以前国会図書館に見学に行ったとき、「灰羽連盟を見る」と「ファンタジックチルドレンを見る」を寄贈したのですが、それがこういう形で生きてくるとは…。非常に嬉しい話ではありませんか。

 国会図書館は、おたく資料アーカイブとしては不十分きわまりないことが、森川嘉一郎さんの調査によって明らかになっています。「OUT」も「ファンロード」も全部揃っていませんし、「漫画ブリッコ」に至っては所蔵すらされていません。ですが積極的に寄贈していけば、安全かつ安定した状態で保存されるわけですし、制約はありますが利用することもできるようになるわけです。もちろん同人誌でも同様です。

 そこで声を大にして言いたいですね。「同人誌を作ったら1冊国会図書館に寄付しよう!」と。寄付すれば後々までの文化財産になります。自由に閲覧できるので、売り上げの障害になるんじゃないの、という危惧もありますが、同人誌は所有することにも魅力のあるもの。売り上げのマイナス要因としては弱いと考えられます。そして今回のように、常に閲覧できる状態にしておくことによって、売り上げが向上する可能性もあります。

 「COMIC1」に提出された見本誌が、明治大学に寄贈されてアーカイブ化されるという話もありますが、それはそれとして国会図書館に寄贈するのもいいのではないでしょうか。特に作品を多くの人に手にとって欲しい、多くの人にじっくり読んで欲しい人にとっては。